高齢者の運転免許証 自主返納 どう説得する?【経験談】

備忘録
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高齢ドライバーによる交通事故は年々増加し、悲惨なニュースを目にすることも。
それに伴い自主返納する高齢者も増えてはいるが、地方での返納率は都市部に比べると低い。

□ 車間距離を一定に保つのが苦手になった
□ 車庫入れに時間がかかるようになった
□ 運転中にミラーをあまり見なくなった
□ ウインカーを出し忘れることがある
□ 駐車場の枠に合わせて車を停められない(枠からはみでたり斜めになったり)
そう感じることが多くなったら、自主返納を勧めるタイミング。

返納を勧めても頑なに拒否する人々には、世代的、性格的、実は認知症が進み始めている為説得に応じない等、様々な要因がある。
事故を起こすかもしれない、起こさないかもしれない、事故を起こす日が3年後かもしれないし、明日かもしれない。しかし、高齢者ドライバーはいずれにしても起こす確率は高いし脳や体の機能は日々衰えていく。家族が加害者になるのを防ぎたい、他人に迷惑をかけるようなことはあってはならない・・・高齢ドライバーに頭を悩ませている家族は多い。
私の家族も典型的な昭和の亭主関白親父に自主返納させる為、1年以上費やし、時には大ゲンカをし、ケンカがエスカレートして警察沙汰にまで・・・

自主返納して貰う為の説得方法を、取り組みやすい順番に、私が実際に行った方法をご紹介します。

運転免許証の自主返納について|警察庁Webサイト
免許返納を考えている方へ〜自主返納特典・必要書類まとめ〜-EPARK車検-
昨今、高齢者ドライバーが引き起こす事故に...

自主返納に応じない理由を知り一緒に解決する

  • 通院、買い物、習い事、趣味の集まり等、実際どのような場合に車を使っているか、その代替え案は?
  • 運転に自信がある、返納する理由がない等高齢者ドライバーであるという自覚がない
  • (交通事故における高齢ドライバーの人的要因は、「発見の遅れ」がなんと8割を超えている)
  • 本当は返納を考えているが方法が分からない、行うのが面倒
  • 生きがい、自由がなくなると思っている

自主返納したことによるメリット・デメリット

メリット
  • 本人、家族等が交通事故のリスクや心配がなくなる
  • 車の維持費や税金等経済的な負担が減る
  • 身分証明書代わりに「運転経歴証明書」を発行してもらえる
  • 「運転経歴証明書」や「運転卒業者サポート手帳」を提示することでタクシー、公共交通機関、宿泊施設、飲食店・ドラッグストアー等お店、引っ越し代、施設使用料等の割引が受けられる。また電動車いすやサポカー購入時に割引や補助金が受けられる
  • 車以外の新しい楽しみや生きがいができる
デメリット
  • 今までのように買い物や病院に気軽に出かけにくくなる(引きこもり)
  • 重いもの、大きいもの買い物がしづらくなる(⇒タクシーや宅配の利用を勧める)
  • 車の運転しないことで記憶力や判断力が欠け、認知症が突然進む、また自信喪失等も

返納の期限・条件・安全を提案する

期限
いきなりすぐ返納にはなかなか応じてくれないでしょうし、家族もすぐでなくても…という状況なら、例えば75歳まで、1年後まで等の猶予期間を本人と相談して決める
条件
・〇回こすったり、ぶつけたりしたら(自宅の車庫での自損・物損事故も必ず警察に届けてください)
・同乗者や本人がヒヤリとしたり、ハッとしたりすることがあったら
・一旦停止や信号無視等交通違反を起こしたら
(※75歳以上は一定の違反行為が1度でもあった時には、3年に1度の免許更新を待たずに直ちに臨時認知機能検査を受ける義務があります)
安全
・サポカーへの買い替え(サポカー補助金有)

サポカー(安全運転サポート車)のWEBサイト
サポカーのオフィシャルサイトです。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置等の搭載車に「セーフティ・サポートカー」、衝突被害軽減ブレーキ搭載車に「セーフティ・サポートカー(サポカー)」とし官民連携で普及啓発に取り組んでいます。

・安全運転支援装置の取り付け(地方自治体による補助制度有)

アクセル見守り隊® SAG297 | データシステム R-SPEC Datasystem
ペダルの踏み間違いによる急発進を防止!! アクセル見守り隊R SAG297

・保険会社のあんしん見守りサービスを利用する(月額2,980円)

あんしん運転見守りサービス EverDrive(エバードライブ)|オリックス自動車
65歳を超えたら、あんしんの見守り運転。Ever Driveは、高齢ドライバーの運転状況を家族で共有できる、あんしんの運転見守りサービスです。

・高齢者安全運転診断サービスを利用する

高齢者安全運転診断センター(高安診)
高安診の特徴は、ドライブレコーダーを利用した診断サービスであり、そのドライブレコーダーは車外(前方)だけでなく、室内の映像も録画することができる為、診断する際、ドライバーと同乗しているような状況下を作ることができます。この動画を、事故映像分析を専門とするスタッフ、教習指導員経験者等が、高齢者の事故事案を基に考案されたチ...

安全運転相談ダイヤル ♯8080 に電話相談する

“ 「これまでのような運転ができなくなった」、「『危ないから運転はもうやめて』と家族に言われた」など運転に不安のある高齢ドライバーやその御家族の方は、積極的にこの窓口をご利用ください。”とあります
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/conferennce_out_line.html
実際私は電話してみました #8080に。
すると県の交通(運転免許)センターに繋がり、「自主返納の説得をしている」と伝えたところ、「お伝えできる方法は2つです。まず①病院で認知機能検査を受け、認知症と診断されれば免許証を取り上げることができます。そして②ご家族が車の鍵や免許証を取り上げる、この2点です」との返事でした。
私自身、役所的な対応、マニュアル的な受け答えのような印象を受けました。
これは自治体や対応してくださる方によって違うと思いますので、一度#8080電話してみては?

市区町村の警察署へ行き相談する

私は実際行ってみました。そして受付で「親の免許の自主返納について相談したい」と伝えると、交通課の方が対応してくれ、状況を聞いてくれて自主返納の方法や受けられるサービス等説明してくれました。その際私や返納させたい家族の名前や生年月日等記録されました。
そして1番効果的だと思った提案は、“本人に警察官が直接返納の説得をしてくれる”というもの。
家族の言うことは聞かなくても、制服を着た警官に説得されると案外返納を受け入れる人が多い、とのことでした。なので本人を警察署に連れていくと説得してくれるそうですし、どうしても警察署に行かないとなれば自宅まで説得に来てくれることもあるようです。
そして最後に「説得中に本人とケンカになって取り乱したり暴れたりしたらすぐに110番してください」とアドバイス戴きました(これはその後日すぐに現実となった訳ですが)

自主返納の説得

いよいよ本人へ自主返納を説得する時がやってきた時、注意すべきことがあります。
・切り出すタイミング(免許更新時、節目の年、軽い自損事故を起こした時など)
・誰が説得するか(一度に複数人に言われると余計意固地になる場合があります。本人が溺愛しているお孫さん、この人の言う事なら素直に従うという人、返納経験者、主治医、警察官、弁護士等が考えられます。ご家族で相談して決めましょう)
・本人の性格等で説得の仕方を考える(車を手放すことによって減る経費を数値化して見せる、返納後の特典を知らせる、心情に訴える、車以外の趣味に誘う、など)
・本人の自尊心を傷つけないよう、できるだけ穏やかに説得することを心掛ける
・家族が説得する場合は、情に流されないよう必ず返納させるという強い気持ちを持って説得する
・言い争いになったり、本人が逆上したり暴れたりする場合冷却時間を置く。それでも収まらず説得者に身の危険を感じるようなことが起これば直ぐに110番する

一緒にチェックリストをやってもらう

客観的に納得できると諦めがつく場合もあります
以下のリンクのチェックリストは30問ありますので、本人だけで行わせず家族一緒にしてみてください。5つ以上チェックが付くと専門医による診断を検討する必要があります。

チェックリスト30 | NPO法人 高齢者安全運転支援研究会
「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」 自動車の運転は、視力、聴力、認知力、判断力、反射神経、筋力などさまざまな能力を同時に必要とする複雑な作業です。加齢とともにこれらの能力...

ここで一旦確認!高齢者の免許更新の流れ

70歳から74歳までの方の免許更新

更新期間満了日(誕生日の1か月後の日)の6か月前から更新期間満了日までの間、更新手続前に受けなければいけない講習は1つ。

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  1. 高齢者講習を受ける(講習手数料5,100円)
    予約制です。受講場所等は「講習のお知らせ」はがきに記載があります
    座学、運転適性検査、運転講習など約2時間。受講後、終了証明書が交付される
    (シニア運転者講習、チャレンジ講習、特定任意高齢者講習、等高齢者講習と同内容で低価格の講習を受講することで高齢者講習に代えることができる)
  2. 運転免許センター等で更新手続き(更新手数料等が必要)

75歳以上の方の免許更新

運転免許証の更新期間満了日(誕生日の1か月後の日)の年齢が75歳以上の方は、更新期間満了日(誕生日の1か月後の日)の6か月前から更新期間満了日までの間、更新手続前に受けなければいけない講習は2つ

  1. 認知機能検査
    記憶力や判断力を測定する検査で、検査項目には、時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの項目がある。現在の年月日を答えたり、時刻を時計の絵として検査用紙に描きこむといった検査だが、問題例集等がネット上や書籍でも手に入り予習できるためパスしやすい。
    (約30分、750円)即日結果が出る
    ⇒「心配ない」と判定された方は高齢者講習(2時間、5,100円)を受ける
    ⇒「少し低くなっている」と判定された方は別の高齢者講習(3時間、7,950円)を受ける
    ⇒「低くなっている」と判定された方は臨時適性検査または診断書提出命令があり、診断結果が認知症と判断された場合は、運転免許の停止または取り消しの対象となる
  2. 高齢者講習
    認知機能検査とは別日に、改めて予約して受講。
    「心配ない」→2時間(5,100円)、「少し低くなっている」→3時間(7,950円)
  3. 運転免許センター等で更新手続き(更新手数料等が必要)

認知機能検査は何回でも受けることができますが、「低くなっている」と判定された方は臨時適性検査または「医師の診断」を受ける必要があり、その結果、「認知症」と診断されたときは、運転免許の取消し又は停止処分になります。
なので、自主返納の説得と免許更新のタイミングがあい、認知機能検査で「低くなっている」判定で「認知症」と診断されれば免許は取り消しとなり安心できますが、逆に「認知症」という問題に代わります。
聞いた話によると免許更新時の認知機能検査と高齢者講習はよっぽどのことがない限りパスするそうなので、検査で引っかかってくれれば、、と淡い期待はしない方が良さそうです。
(では、なんのための検査や講習なのでしょうか?)

令和2年6月10日公布、2年以内に施行 「道路交通法の改正」

運転技能検査(実車試験)の導入
75歳以上で一定の交通違反歴がある者は、運転免許証を更新する際に、実際に車を運転して能力を確かめる運転技能検査が義務づけられます。この検査は、更新期限の6か月前から繰り返し受検することができますが、不合格の場合は運転免許証を更新することはできません

あまりおススメしませんが(ケンカ覚悟)強制終了

  1. 車の鍵を隠す(本人が鍵を作り替える可能性有)
  2. 免許証を隠す(免許不携帯で運転する可能性有)
  3. 車が動かないように細工、車を売る、または廃車にする
  4. 車を新規契約しても取消に行く
  5. ディーラーに念書を書かせる

これらの事でうまくいく場合と、逆効果になる場合があります。
自暴自棄になって暴れたり、自宅に火をつけるという事件も2018年に起きています。
またこれがきっかけで認知症が急に進んだというケースもあります。

「では逆に家族を納得させてみて!」2つの証明

どうしても自主返納の説得に応じない場合、2つの証明を本人にさせてみるというのはいかがでしょうか?

1. 自動車教習所でペーパードライバー講習を受講、プロの目で判断してもらう

高齢者講習は免許更新時のみとは限りません。教習所に予約して高齢者講習やペーパードライバー講習などを受講して貰い教官から危険との判断があれば返納の説得もしやすくなるでしょう。
逆にプロによるお墨付きが出れば、期間・条件付きで運転の許可をするのもやむなし。

2. 専門医による認知症の検査を受けて貰う

精神科や心療内科、脳神経外科、神経内科など診療科で受診
「長谷川式認知症簡易評価スケール」などの認知機能テストに、MRIなどの画像検査と血液検査を組み合わせることが一般的。折を見てかかりつけ医に紹介状を書いてもらい、医師から本人に上手く受診を促してくれるよう事前にお願いしておくとスムーズにいくでしょう。医師が「次、車こすったら返納してよ」と優しく諭したら返納に応じたという例もあります。

我が家の説得 経験談

父は79歳。この2年入退院を繰り返し全く車に乗れていません。
入院以前もだんだんと車庫入れに時間がかかる、枠より曲がった停め方をしても以前の様にやり直さなくなった、判断や動作が遅くなった、車庫から出る時ぶつけた、、、というように危険な兆候がありました。
入院中に長男である兄が何度か返納の説得をしましたが、あまりの頑固さに匙を投げました。
入院中に免許が失効したので主治医に再更新の為の入院証明書を発行しないようお願いしてみましたが聞き入れてもらえず、退院後に受けた認知機能検査は前述の通り予習のお陰でパスし、高齢者講習もなかなか予約が取りづらい状況の中、父は半ばクレーマーのような強引さで予約を受け付けさせ受講、免許更新を行うことができました(更新できないことを願っていましたが、、、)
車はバッテリー上がり等で動かなくなっていた為、ディーラーに父から連絡があったら私の方にも連絡するようお願いし、車検が切れていた為車検証を隠す、任意保険を一旦停止する等、色々対策しましたが、結果的には強引な父のやり方には勝てませんでした。
#8080へダイヤル、地元の警察署に相談し、改めて家族で集まって感情的にならないよう気を付けながら説得しましたが、「運転するなということは死ねということと同じことだ」の一点張りで堂々巡り。
埒が明かないと思い、私は車の鍵を貰うね、と断りを入れて鍵とスペアキーを探していると、父が急に激高し、母を跳ね飛ばし鍵を奪おうと私につかみかかり倒しました。身の危険を感じた為すぐに110番し、警察が到着する頃には少し落ち着いて、警官二人も父を説得してくれましたが、やはり同じ話の繰り返しで、落ち着きを取り戻した父の状態を確認すると半ば逃げるように警官たちは帰っていきました。
父は「もう食事も摂らない、週3回の透析もいかない、死んだらお前たちのせいだ」と繰り返していました。兄と私は母のことが心配でしたが、冷却期間を取る必要があると判断し実家を離れ、父の事は母に任せました。
その後母に度々電話したりメールしたりして様子をうかがっていますが、父は食事も摂り薬も決められた通り服用し、透析にも通っているようです。ですが私や兄には「鍵を返して謝れば、食事もするし透析にも行ってやる」と、かまってちゃんメールを送ってきます。
地域包括支援センターや主治医に事の成り行きを話し相談したところ、認知症が進んでいる可能性があるとのことで、専門医で認知症の検査を受けることになりました。
鍵は私が預かっていますし、ディーラーにも作り直しについて話し合いをしたので今の所は運転できない状況であるため、母は特にホッとしています。
もう少し上手く説得できれば、こんなにお互いが嫌な思いをすることも、疲れ果てることもなかっただろうと思います。

まとめ

免許自主返納は多くの方が抱えている問題だと思います。
これをきっかけにバラバラだった家族が一致団結したり、逆に家族がギクシャクしたり。
そしてこれがきっかけで認知症だということがわかったり。
返納問題は介護問題の入り口だということ。
そして本人が一番老いること、存在価値の喪失等の恐怖を感じている。
そんな心を理解し、寄り添っていけば、そして色々な不自由さに協力していけば、少しずつ解決の道へと進んでいくのだと思います。

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